ビジョンで連動する組織をつくる 〜 組織の連動性を高める新コーチング研修体系 〜

■ 「組織」と「個」とを連動させる

サッカー日本代表の長谷部誠さんは、著書「心を整える。」の中で、こう書いています。

 レベルの高いチームのなかで生き残り、先発メンバーに名を連ねるためには、
 何か人と違うストロングポイントを示さなければならない。
 僕にとってのそれは、「組織に足りないものを補う」ことだ。

多くのビジネスパーソンも影響を受けた、代表キャプテン最多出場、長谷部選手の言葉。
実際この考え方は、企業の中でビジネスパーソンが生き残っていく術としても、そのままあてはまります。

 ① 自分が、他の同僚(や上司・部下)と違うストロングポイントを示すこと
 ② そのストロングポイントが、組織に足りないものを補えていること

さらには、企業が社会で生き残っていく術としても、やはりそのままあてはまります。

 ③ 自社が、他社と違うストロングポイントを示すこと
 ④ そのストロングポイントが、社会に足りないものを補えていること

経営者の目線で追えば、順番は④から①へ。

 社会に足りないものを(④)、
 他社よりも選ばれる”強み”で顧客に提供する(③)、
 その提供に必要な役割を見極め(②)、
 その役割に社員の”強み”を組み合わせていく(①)

この一連の流れ、すなわち、

 ”組織”と”個”との「ストロングポイントの連動」

この連動性の精度、それを高く維持する仕組みや文化というのは、選ばれる企業が備え持つ一つの特質と言えるでしょう。

■ 連動が途切れやすい時代へ

ところが現代は、企業にとって、”強みの賞味期限”がきれやすく、また短い時代。
家電以外の売上が大部分の家電メーカー、次なる海外市場を探す国内老舗企業、拡大した店舗を再編させるリテール企業、etc.
見渡せば、その強みを急速に変化させようとしている企業が、数多くあります。

以下、エグゼクティブコーチングと企業研修の現場で、聞こえてくる声です。

〜経営者の声〜
 社会にいまだ足りていないものというのが、なかなか見当たらない
 ヒット商品や喜ばれるサービスを打ち出すことが難しい
 他社との決定的な差別化ポイントを作れない
 商品のライフサイクルが短く、斬新な発想を生み育てる余裕を持てない

〜人事の声〜
 社員に求めるスペックが昔のように一律一定ではなく、絶えず変化している
 人材ビジョンが示しにくい、示せても抽象的な表現で社員に伝わらない
 組織を頻繁にいじってみるものの、新しい編成に人がスムーズになじんでいかない
 半期に一度の目標管理面談では、タイムリーに目標をマネジメントできない

〜ビジネスパーソンの声〜
 畑違いの部署に突然異動になった
 自分の強みを変化させ続けないと、自分の居場所がなくなる
 自分を育てていく方向感やキャリアビジョンを持ちにくい

こうした声が表しているのは、「企業も人も一つの強みに定住しにくい時代」だということ。
定住できない、ということは、企業活動全体として「ストロングポイントを連動させにくい時代」でもある、ということです。

 ニーズの多様化、物流の変化、マーケティング手法の進化、メーカーと小売の関係性変化、
 組織のグローバル化、合併や業務提携、看板事業の分社化、管理職半減、etc.

こうした変化が、続いて組織に一体どんな難しさを作り出していくのか。
一つの見方として、これらの変化で「ストロングポイントの連動がますます途切れやすくなってくる」と予想することもできると思います。

■ 見えないリーダーの存在が、連動の起点をつくる

経営学者の故ピーター・ドラッカーは、企業組織のタイプを野球とサッカーの違いにあてはめて考察したそうです。
概ね次のような主張です。

 野球型組織は、守備位置や打順が固定された分業体制。
 選手は打席や自分の守備エリアで、個人技を主に求められる。

 サッカー型組織にもポジションはあるが、状況に応じ変化する。
 守備的選手が前線の攻撃に参加するなど、選手は機動性や相互の連携が求められる。

ちなみに、自然界における群れの連動では、サッカー型に近い部分があります。
たとえば海の中で、魚の群れが一つの巨大な生き物ののように振る舞い、外敵から身を守る。
あるいは空で、鳥の群れが一体となって俊敏な方向転換をやってのける。
こうした大規模な群れの連動を、群れの中の特定のリーダーがコントロールしているわけではないそうです。
野球のように一人の監督がサインを出すのではなく、選手達が状況を察知し機動的に動く、サッカー型の振る舞いをしているようなのです。

とは言え、環境変化を最初に察知する個体が、群れの中には当然必要です。
以下は、物理学者レン・フィッシャー著「群れはなぜ同じ方向をめざすのか?」の一節で、ミツバチの群れが蜜のありかを目指す様子についての考察です。

 目的地を明瞭に思い描き、そこに到達する方法をはっきりと知っている匿名の個体がわずかでもいれば、
 集団内の他の個体は、自分がついていっていることも知らぬまま、それに従って目的地へと向かうことになるのだ。

ここにある「匿名の個体」というのは、ミツバチの群れにおける、言わば「見えないリーダー」です。
見えないリーダーは、自分がリーダーである、と殊更に主張することをせず、他のミツバチからもリーダーと認知されているわけではないそうです。
それでも、目的地を知っているという確信に基づいたブレのない行動は、速やかに他のミツバチ達にも伝播します。
そしてこの「見えないリーダー」数匹の動きにつられ、群れの振る舞いは自然に整っていくというのです。(”八の字ダンス”はあくまで補助的手段だと言います)

こうした群れとしての知性を、科学では「群知能」と呼びます。
自律した個が連動して秩序ある行動を生み出し,個々の能力の和を超える成果を得ていく、そんな知性です。
企業が連動性を高めていく上でも、この「群知能」を高めること、その第一歩として「見えないリーダー」を作っていくということは、一つの処方箋となるでしょう。

■ 今いる人を活かすための「連動力強化」研修体系

他にも私達が連動性について学べるヒントは数多くありますが、いずれにせよ、企業が組織の穴を埋める方法は大きく3つです。

 ① 外から人を採用して、組織の穴を埋める
 ② 外部を活用して、組織の穴を埋める(業務提携、アウトソーシング、クラウドソーシング、etc.)
 ③ 今いる人を育成して、組織の穴を埋める(配置転換も伴いながら)

いずれも大切なことですが、「ストロングポイントの連動」に外せないのは、やはり③の人材育成です。

 人が育つ ➡ 育った人が挑戦し結果を出す ➡
 人がさらに育つ ➡ また別の”組織の大きな穴”に挑戦していく

これが日本の強さの源泉であり、若い人達が「この企業でがんばり続けたい」と思える拠り所であり、
人材育成を続ける限り、”組織に生じる穴”は、むしろ新しいタレントを発掘するチャンスとなり得るからです。

ただし、強みの賞味期限が短い時代、個人のスキル向上だけを目的とした研修では効果を生みにくいことも事実です。

* * *

ここで鎌倉VisionCoachがご招待したいのが、「組織の連動力強化」という研修体系です。
従来のような社員に一律一定のスキルを身につけさせる研修ではありません。
その企業の独自資源を活かした、その企業独自の連動を生み出していく”対面型のトレーニングメニュー”で、研修そのものも互いに連動しています。

規模の経済が単純には働かず、応用的業務/個別対応力を全員で志向していかざるを得ない今の時代。
組織の大きさは、むしろ困難やリスクを伴います。
膨大な人件費、意識共有のコスト(多くの会議/多くの資料)、コンプライアンス違反等のリスク、etc.

それでもなお、”今いる人を活かす”道を信じ、組織で活動する利点を獲得していこうとする企業の皆様へ。
この、「連動力強化」の研修体系をお届けできれば幸いです。
そして、経営も、ミドルマネジメントも、若手社員も、全員が周囲に目を凝らした”見えないリーダー”となり、連動のスイッチを随所で入れていっていただける世界を願っています。

経営は、組織と個を連動させ、個と個を連動させられてこそ、組織の力を生み出せます。
社員も、組織の中に連動できる場を持ててこそ、個としての力を思う存分表現できます。

企業も人も、連動の中でこそ、独自の輝きを見つけていくことができるはずです。

鎌倉VisionCoachは、本物の職人的コーチング技術で、組織と個との連動を高めることに貢献し、
他社に真似されにくい「”連動”という企業文化の強み」を、お客様一社一社と創り上げていきます。

福島弘 / 鎌倉VisionCoach