ビジョンで連動する組織をつくる 〜 組織の連動性を高める新コーチング研修体系 〜

■ ビジョナリーな人はVisionを描いていない

Visionという言葉に魅かれる人は多いと思います。
Visionの直意は、「将来の展望」、あるいは「先見性を持って視覚化された未来」。

自分の進むべき道がはっきりとしていたら。
社員に明確な方向性を示すことができたら。

私たちは少なからず未来を気にしながら生きていて、とりわけリーダーとしての資質を持っている人にとって未来は大きな関心事です。

かつてインディアンの祖先は、定住地アジアの地を旅立ち、ベーリング陸橋を超え北米大陸にわたり、五大湖のほとりに永住の地を見つけました。
この出来事をまとめた「一万年の旅路―ネイティヴ・アメリカンの口承史」という本があります。
そこには、気の遠くなるような先の未来を直感したリーダーの姿(主に女性)、そのVisionに導かれてイロコイ族が何百年越しの大移動を幾度も繰り返してきた様子が描かれています。

人生の危機的状況でVisionが希望をもたらしたり、リーダーが示すVisionで一体感が生まれたり。
Visionを描ける力というものは、確かにとても魅力的なものだと思います。

ところが、Vision神話には一つのパラドックスが存在しています。
それは、

・ビジョナリーな人ほど、実は”未来”よりも”今この瞬間”に意識を置いている

ということです。

スティーブ・ジョブズは、まさにそんな人物。
ビジョナリーと評されながら、その経営スタイルにビジョンを打ち出した形跡はあまり見当たりません。

むしろジョブズはNow&Hereの直感を大切にしていたと思われます。

「自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。
心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っている。」

という言葉が示すように、彼にとっての未来はあくまでも結果。
イロコイ族が直感を信じて歩き出し、結果として北米大陸に足を踏み入れたように。

大抵の人は未来をコントロールしようともがき、結果として遠回りをしています。
望ましい未来を手にする鍵、それは「今この瞬間」にあります。

■ 今この瞬間に幸せでいる

あるのは常に「いま」だけです。
今この瞬間に見えているもの、聞こえてくるもの、感じられているもの、これがリアリティの扉です。

・朝ご飯の味をちゃんと感じて食べているでしょうか?
・晴れた日の外回り、ちゃんと青空やそよ風を感じているでしょうか?
・家族や社員からの言葉(と気持ち)は、ちゃんと聞こえているでしょうか?

頭の中の声はむしろ、

「あー、電車に間に合わなくなるぞ。今日は朝から大事な会議だ」
「さっきの商談、失敗だったなあ。あの資料を準備しておけばよかった」
「何か話したいことがあったよな、、、そうそうこれ言っとかなきや」

頭の中が”未来”や”過去”で占められている時、人は目の前の”いま”を知覚できなくなってしまいます。

豊かさ = 豊かな出来事 + ”豊かさ”の知覚

出来事と知覚はセットです。
せっかく良い出来事に遭遇しても、そこから豊かさを抽出知覚できなければ一生幸せにはなれません。

と同時に未来を夢見るだけでは、豊かさの予感しか手に入りません。

「『どこか』に幸福を追い求め続ける限り、あなたは幸福が存在する場所を見過ごしています。」

これは、米国人でありながらインドの覚者に師事したガンガジの言葉です。

探すことをやめた瞬間、「いまここ」に戻ってきた瞬間に、持続性のある幸福感が訪れます。

■ 研ぎ澄まされたVisionが、日々をシンプルにする

一見矛盾して見える二つのスタイル。

・Visionを大切にする「Visionスタイル」
・いまこの瞬間を大切にする「いまここスタイル」

あなたはどちらに近いでしょうか?

実は、この二つのスタイルは両立します。
というより両者を極めていくと、やがて統合され両者は一つのスタイルであることがわかってきます。
Visionにワクワクしながら、今この瞬間も豊かさを感じて生きることは十分に可能です。
そして、今この瞬間を豊かに過ごしているからこそ、未来へのトキメキが自然と生まれてくるのです。

直感(さらには人間本来の良心)を大切にする生き方が、結果として望ましい未来を創っていきます。

* * *

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
肯定的/否定的によらず何かひっかかる部分があれば、その気持ちをぜひ調べて欲しいと思います。

Visionは「本来の自分で日々を生きる」ための乗り物のようなものです。
そして、自分も含め、皆の本来を引き出していくのがリーダーの役目です。

SOUL-Vision keeps us on the right track.

研ぎ澄まされたVisionは、日々が適切であることを心の奥底から確信させます

そして、研ぎ澄まされたVisionは、日々をシンプルにしていきます。
未来に過分な力を奪われないぶん、前後際断で「今」に充分な力を注いでいくことが可能となるのです。
未来にくつろぎ今に全力を注げている自分、今この瞬間を共有し一体となった組織というものが、そこには自ずと顕われてくるでしょう。

論理よりも直感、獲得よりも体験、結果よりも過程を大切に

それが、鎌倉VisionCoachがご招待したい「新Visionスタイル」です。
旧来型の”VIsion〜目標〜計画”といった窮屈なスタイル、未来を重んじ今を犠牲にするスタイルから脱する自由を、ぜひ体験していただけたらと思います。
このページを訪れてくれて、ありがとうございます。感謝をこめて。